百合の花と諸九尼(しょきゅうに)
日差しが強まるこの季節。
あちらこちらで百合の花が目につくようになりました
美しく真っ白に咲くスラリと伸びた百合の花は、まさしく夏の象徴を感じます。
江戸の中期の俳人であった諸九尼は、旅を好んで、
芭蕉が歩んだ奥の細道を半年かけて歩いたと言われていますが、
その時に、このような一句を残しています。
「百合咲くや汗もこぼさぬ身だしなみ」
スラリと伸びた百合の姿を、
「まるで一滴の汗もこぼさずに身だしなみを整えた清楚な女性」と読んだ俳句になります。
このような表現力は、感性が揺さぶりますよね。
愛と俳句に生きた女流俳人の諸九尼は、
きっと、自分を重ね合わせ表現(俳句)したのでは?と私は思っています。
故郷を捨て、家族を捨て、ただ一心に愛する人と、
人生を生きようとした諸九尼そのものだと思います。
俳句や、格言は大好きで良く読みますが、
素晴らしい先人の知恵と感性がそこにあります。
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